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お知らせ お知らせ 2021年04月24日

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心の栄養 心の栄養 2021年04月24日

「“生”と“生”を重ねて生きる」

  あまんきみこ(童話作家)

…………………………………………

母親を三歳のとき亡くした祖母が
「わたしはお母さんの顔を覚えていない」と言って、
涙をぼろぼろ流したことがあります。

そのとき、九十歳を過ぎた祖母が、
母親を慕したう幼おさない女の子に見えて、
私は言葉を失ったまま黙って
祖母の細い背中を撫でていました。

人は誰も、木の年輪のように
心の芯のところに赤ちゃん時代をもち、
次に幼年期、少年少女期、青年期、壮年期、
そして老年期を抱えもっているかと思いますが、
それが鮮やかに甦る時があることを、
まだ若かった私は、祖母の涙で教えてもらいました。

祖母は長生きでしたが、
母は四十三歳で胃癌のため永眠しました。

ひとりっ子で甘やかされていた私は別れが辛くて、
長い間おちこみ泣いていました。

そんな或る日、
「なき虫さん、泣いてばかりいると
見えるものが見えなくなるでしょう」
という言葉が聞こえました。

これは幼かった私の涙を拭きながら
母が言っていた言葉でした。

私はその時
「自分の中に母がいる」と感じました。

「死者は生者の中にいる」ことに
はじめて気づいたのです。
 
そのためでしょうか。

子供を胎内に宿したとき、
母はこんな思いだったのかという喜び
と感慨がこみあげ、赤ちゃんが生まれると、
私は、その時の母の思いを重ね、
同時に自分が抱きしめている赤ちゃんの感覚を、
その子からもらっている気がしました。

子供は二人育てましたが、二人が育っていくとき、
私は、母の人生、自分の人生、そして子供の人生が
三重になっている喜びを感じていたのです。

ですから、母が亡くなった四三歳になったとき、
しばらくの間、余生の感覚になったことを、
今も覚えています。

母は宮崎県、今の日南市に生まれました。

私にとって父方と母方の祖母が同じ歳で、
家も近く、子供の時からの仲好しで、
その関係で父と結婚したのだそうです。

それでも、その時代、旧満洲に暮らしていた
父の家に嫁ぐのは、
いろいろな思いがあったことでしょう。

それに母にとって、舅、姑、
それに父の妹が二人いたのですから、
さぞ忙しかったことと思います。

それなのに、私は子供の時から
母の好きな言葉、絵画、短歌、作家、画家、風景など、
よく知っている思いがしてそんな会話が
あったのかしらとふしぎでした。

それが数年前、それは母が日々に作っていた
スクラップブックの力ではないかと気がつきました。

病弱だった私は、よくそれをひろげて
眺め読んでいたので、
しらずしらず母の考えかたを覚えていたのでしょう。

母自身が意識していたのかどうか分かりませんが、
いろいろなメッセージをもらっていたようにさえ感じます。

以前、過去に「子育て」の時のことを
或る先生に質問され、
「とっても楽しかったですよ」
とこたえると
「それだけではないでしょう」
と少し厳しい声で言われてしまいました。

ええ、確かに困ったり、心配したり、反省したり、
迷ったりは数えきれませんが、このように
歳を重ねてふりかえると、
あの子育ての時期は、私にとって
実感をともなった「三重の生」を生きていたと、
今でも深い喜びとなって甦ってくるのです。

心の栄養 心の栄養 2021年04月4日

……………………
「発想法」
……………………

松永安左エ門は三十三歳のとき、
株に失敗、借金だけを残してスッテンテンになった。

その当時、人生は五十年といわれた。

このとき彼は人生五十年なら、
まだ十七年もあると考えた。

十七年しかないとは考えなかった。

そして、十七年もあるなら、
しばらく遊ぶのもよかろうと思った。

遊ぶとはいっても、酒色や歌舞音曲の類ではない。
暮しの些事にとらわれるのは煩わしいと、
二年分の家賃を工面して神戸の灘に家を借り受け、
中国古典の勉強に沈耽したのだ。

自分は何のために生まれてきたのか、
何のために事業家になったのかを
古典を通して追求したのである。

危機に遭遇して人生の原理原則に立ち返る。
この発想法こそ「電力の鬼」と称された
松永の人格を創ったのである。

伝記作家の小島直記氏から聞いた話である。

『少女ポリアンナ』という小説がある。

早く母を亡くした少女ポリアンナは、
父からどんな出来事の中にも一つだけよかったと
思えるものを見つけなさい」と聞かされて育った。

だが、その父にも死なれてしまう。

孤児になったポリアンナ。
悲しいこと、辛いことが次々と起こる。

だが、彼女はその悲しみ、辛さの中にも
「よかった」と思えるものを見つけようとする。

そして彼女のこの姿勢は周りの人びとを変え、
彼女の人生を輝かせていく
――発想一つで彩りを変える人生を
ポリアンナは生きたのである。

トインビーは

「歴史はチャレンジ・アンド・レスポンス
(挑戦と応戦)の繰り返しで進展していく」

といった。

世界は絶えず、一方でチャレンジが起こる。
そのチャレンジにどうレスポンスするか。
そのレスポンスが安定か動乱か、
繁栄か荒廃かの分かれ道になる。

何も歴史にとどまらない。
我々の人生もまたチャレンジとレスポンスの連続である。

さまざまな出来事にいかに対応するか
――その発想に成功不成功の人生がかかってくるのだ。

松永安左エ門とポリアンナ。

二人の発想法から、私たちが学ぶものは多い。

お知らせ 4月の休診日 2021年04月4日

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4月29日 木曜

勝手ながら休診のさせて頂きます

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